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ウィンザー&ニュートン コットマンウォーターカラー アーティストモニター
2017 年9 月に、アーティストの池田優さんにコットマンウォーターカラーで作品を仕上げていただいた過程をご
紹介いたします。
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①カラーチャートを作り、色を確認しました。発色と定着の良さがお値段以上という感じがしました。
紺系の夜空で星が輝いているような絵を描きたくて選出した11 色が画像2枚目です!
⽔彩紙はモニターとして使わせて頂くコットマン中⽬です。初めて使います。パルプだそうです。
パルプならではの独特な滲み(ムラ)とサイジングが好きなので楽しみです*
②色を選んだら星の最も光っている部分にマスキング液を塗り、その際を、黄色など薄い色から重ねていきました。写真だとわかりにくいですが、絵の具と紙の相性がよいのかとても発色がクリアと感じました!コットマンの乾きの早さと紙上の水の漂い方から、濃く塗り重ねるよりもあっさりと塗ったほうが画材と滲みの面白さを活かせる気がしました。実はがっつり濃く塗って夜空を描こうと思っていたのですが、この時点ですでに方向性を変えてみようと考え始めました。
③光の部分のグラデーションが大切なので、まずここを塗っていきます。最初に黄・赤系を塗り、次に背景の空となる青系を塗り重ねました。落ち着いた色になりますが、たくさん重ねても濁りやくすみが少なく、発色の良さを感じました!色を塗り続ける過程で白い絵の具で点を打ったり、マスキング液を重ね塗りしたりなどして、光を意識して塗っています。(写真で光を観察し大変参考にさせていただきながら…最終的には写真と全然違う感じになりますが。)
やはり紙の性質もあって、発色クリアですが淡い色合いになるなと感じました。普段濃くしすぎてしまうので、普段と違うホワッとした雰囲気になりそうで面白いです。
④一気に全体を塗りました。コットマン水彩紙は絵の具を拭うことができるので、絵の上部のほうを拭きとって奥行きを意識してみました。この技法が好きなので、コットマン楽しいなと思いました。
マスキングを剥がしました。光っている気がする!と感じるこの瞬間が楽しいです。
⑤更に全体的に薄く青系の色を塗ったり白い点を足したりしました。やっぱり、コットマン水彩紙の独特な滲み方は面白くて好みです!かなり薄く塗っている箇所もあるのですが、単に濃度が薄いとは違う存在感みたいなのを感じます。
⑥最後に男の子のシルエットをちょこっと描いて完成です!タイトルは「始まりの記憶」です。宇宙で星が生まれモコモコと輝きだしている瞬間を夢の中で見ている…というようなイメージです。
最後までご覧頂きありがとうございました!
池田さんよりコメント
この度は、嬉しくて楽しい機会をいただいたこと、また制作過程をご覧いただけたこと、感謝いたします。
普段はこってりと塗り重ねることが多いのですが、今回は絵の具や紙の雰囲気、特性から、さらっとしたテイストで描くことができ新鮮でした。その分、重ね塗りする際には下の絵の具が溶け出してしまうことがあり、絵の傾向によっては使い勝手が難しいかもしれません。ですが、絵の具の色がクリアに出てくれるような感覚が嬉しく、また滲み方が面白いので、一滲みフェチとしてオススメさせていただきます。
また、コットマンウォーターカラーは、8mlチューブで通常より多く入っているので、気兼ねなく使えて嬉しいです。
2017年の「美術の祭典 東京展」に向けて制作した「光の研究室」は、B2という大きなサイズだったので、一部コットマン+プロフェッショナルウォーターカラーの組み合わせで塗り、とても助けてもらいました。
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Artist Profile
池田 優 Ikeda Yu
「そばに置いておきたい」と思っていただけるような、優しさ・あたたかさを感じる光を大切に、透明水彩の質感を活かして、ファンタジック・ストーリー性のある作品を描く。世界観を幅広く表現するため、アナログ画材とデジタルを掛け合わせ、それぞれの特性を活かして制作することも。
アートイベントや展示会出展等のアーティスト活動の他、イベントビジュアル・広告・書籍・グッズ等様々な媒体でイラスト制作の仕事に携わる。
Twitter :https://twitter.com/hutaba_cho
Website :http://yu-ikeda.com
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この制作過程は池田さんのツイッターでもご紹介いただきました。
ぜひ「#コットマンウォーターカラー」で検索してみてください。
池田優さん、素敵な作品をありがとうございました!